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黒白ノ風
546 転換
白のただならぬ威圧と声量に怯えていた時だった。

 「・・・」
殺気が…消えた?
痛いほど飛んできていた殺気が一瞬にしてどこかへと行ってしまった。



少し間を開けてから白が再び微笑んだ。
それは先程のような人を呪い殺していそうな殺気のこもった笑みではなく、ただ純粋な、敵意の感じられないものになった。
 「…さて。ボクはもう行ってきましたが、サチさんもどうです?」





 「・・・?どうって…何が?」


 「…旅館といえば何ですか?」
 「料理だ!!」
この言葉を発した私の目は、それはもう輝いていたのだと思う。

 「ホントにサチさんは食べることしか考えていませんね」
白は飽きれたように言葉を続けた。

 「お料理もありますが、まずはお風呂ですよ」


 「…ぉお」
お風呂…か。


 「料理はその後です」

料理ィ!!v
この旅館の内装からして和風豪華料理のフルコースかァ!!?
 「うはっvんじゃ行ってきまーす!!」
瞬く間に布団から飛び上がり、白の横を通過して部屋を後にした。



 「あっ!」
そしてあることを思い出し、再び部屋へと戻った。

 「・・・?」
白がその一連の行動をいぶかしげに見ていた。

 「バスタオル!!」
そう誰に言うでもなく叫びながらタンスから丁寧に畳まれたバスタオルをさらっていった。

 「行ってきまーす!!」
 「はいはい」

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