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黒白ノ風
544 実感
・・・




 「・・・」
…生きてる。





私は安堵のため息をつきながら目を開いた。


そうしてまず、茶色い天井と和紙でできたランプの優しい光が目に入った。

 「・・・」
自分が倒れたことはきちんと覚えている。
おそらく貧血だろう。
トビによる刺し傷で流れた血に加え、更にその傷口が開いた時の血を失ったからだ。

見慣れない天井を視界に入れながら思考にふけた。



 「・・・」
しかしここはどこだろう。

疑問を解消すべく傷が少し痛んだが、ゆっくりと起き上がった。

そして絶句した。


金箔がちりばめられた襖に、その横の壁には龍が描かれた掛け軸。
更に隣の、床より一段高い場所には高級そうなツボが厳かな雰囲気を漂わせながらたたずんでいた。
床となる畳はきれいな若葉色で塵一つ落ちていなかった。


 「・・・」
まじで…ここドコよ…
更に疑問は深まった。



まるで高級旅館のような…

途中まで考えたところで襖が開いた。
 「起きましたか」
開いた襖の奥には白がいた。

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あきゅろす。
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