黒白ノ風
534 委託
「さて・・・サチ、白…今急いでいるんだろう?」
「・・・え?…あ!そうだった…!」
イタチが話を切り替えたところでやっと今の状況を思い出した。
そういえば、私達はトビから逃げていたのだった。
不意に慌てだす私を視界に入れながらイタチは静かに言った。
「ここはオレに任せろ」
任せろと言っても…
「・・・イタ兄状況把握してる?」
「いや」
「…私達がこんなところまで来た理由は後で話すからさ。とりあえず一緒に進…」 「どうせトビだろう?」
私の言葉をさえぎったイタチは核心をもったような言い方だった。
「・・・よくわかったね、そうだよ」
「トビは写輪眼を持っている。対抗できるのはオレのみ。…全員で立ち向かっても無駄だ」
イタチは再び、この場所で最初に出会った時のように心配の表情を浮かべた。
「それに・・・怪我をしたのはどっちだ?」
「・・・私だよ」
「そうか、相当の出血だった。まずは体を休めたほうがいい」
「ん、うん…」
「・・・オレに任せろ」
イタチは私を気遣ってから先程と同じ言葉を言った。
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