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黒白ノ風
533 偶必
草をかき分け、私達のもとへとやってきたのはイタチだった。

私と白を見つけて口角をあげた。


 「・・・」

…このイタチは本物だろうか。
トビの変化したイタチではないのか…

私の頭ではそんな考えがよぎっていた。
 「イタ兄…!」
 「…あぁ。」



イタチは私と白を心配そうに交互に見やりながら口を開いた。

 「白を探していたら、サチの部屋の床に血溜まりがあった。なにかあったのかと思い、探しにきたのだが」
 「…そうだったんですか。話の途中でいきなり消えてすいません」

白は普通に接してはいるが、警戒しているのか手に持った千本には僅かに力がこもっていた。



 「いや、別にいい。」



これは・・・アレを使う時が来たようだ。
 「イタ兄!白黒パフェ、みだんご、おしるこの数は?」
 「2人合わせて8つ、26本、2つだ。」
 「正解。」

 「オレからも質問だ。甘甘チーケタルトの値段は?」
 「250両」
 「正解だ。」

私達はそれぞれに問題を出し合った。
二人ともぬかりなく答える。


 「・・・何の暗号ですか?」
いぶかしげに思ったのであろう。
白がそう問いてきた。



 「いざというときのためにね。…私からの質問は、この前一緒に行った甘処みたらしで食べたスイーツの数」
ちなみににメニューの名前はそれぞれ略してある。

 「オレからの質問はこの前一緒に行った甘甘でのチーズケーキタルトの値段だ」


 「・・・フフ、二人の間でしか通用しない合言葉ですね」
にこやかに言った白はどこかうれしそうだった。

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あきゅろす。
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