黒白ノ風
526 予言
「…!?」
「サスケはまだ純粋だな…言ったことをすぐに吸収する。白にも黒にもそまってくれる」
「サ、スケに・・・なに…を…?」
あぁ、口からも血が出てきた。
私は鉄の味に顔をしかめながら推測をめぐらせた。
・・・サスケにうちは一族などに関するあらぬ嘘を並べたとか、トビの考えることは容易に、多様に想像できた。
「内容は違えど、大まかにはお前の考えている通りだ」
「もうサスケはお前の思っているようなサスケではない」
「何を、言った…?」
「クク…」
トビは私の問い掛けに対し、喉の奥で笑った。
「知ったところでどうなる。お前はこれから死ぬというのに」
握られたクナイに力がこもる。
「・・・」
このクナイを抜く気か。
そんなことをすれば私は出血多量でおさらばだ。
そう分かったところで寒気がしてきた。
トビの目がまた三日月の形につりあがり、そのまま、腕を引いた。
どさっ
それなりの質量がある体の一部が、血だまりの中に横たわった。
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