黒白ノ風
525 反射
・・・痛い。
痛みの中心から真っ赤な血が噴き出す。
それは廊下のフローリングに赤い水溜まりを作った。
いまさら身構えてももう遅い。
刺されたという根本的なことを理解したころには立っていられないほどの激痛に襲われた。
「…ちっ、外したか」
しかし、どうやら急所は免れたようだった。
刺される一歩手前、私は反射的に体を反らしたのだ。
そのことが幸いしたらしいが。
このままでも放っておけば十分危険だ。
「話はしないと言ったが・・・少しばかり話そうか…」
トビは私に突き刺さったクナイに手をかけたままゆっくりとした口調で語りはじめた。
「お前はオレのシナリオを狂わせすぎた」
「…シ、ナリ…オ・・?」
立っているのがやっとの状態で聞き返す。
「大した障害にならないと思い、泳がせておいたのが間違いだった。・・・お前はイタチから死を遠ざけ、サスケと和解させた」
「・・・」
それがコイツにとっては気にくわなかったのか。
「まぁ、イタチはもう使い物にならない。今となってはお前を殺せばいいだけの話だがな」
トビは、おおそうだ。と呟いてから
「・・・先程サスケに会ってきた」
そう続けた。
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