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黒白ノ風
521 問掛
イタチは天を仰いだ。
 「今の俺は幸せだ・・・しかし、こんな俺が幸せでいいのだろうか」
 「当たり前じゃん」


 「今ならな…いつ死んでもいいと思えるんだ。おかしいよな」
続けて虚空を見つめながら呟いた。

 「・・・そんなこと言わないでよ…」


 「まぁ、もともと忍なんていつ死んでもおかしくないからな」
 「・・・」
確かにそうだけどさ…




 「・・・この際だ。未来がわかるサチに問う。もし俺が死んだとして、その後はどうなる?」

さも当たり前のようにイタチから飛び出した言葉に戸惑う。
 「…?」



答えられないままの私をよそに、イタチはさらに言葉を続けた。
 「・・・俺が死んだら、俺を柏の結界とやらで封印してくれ。もう忍界で名を馳せるのはごめんだ」

 「・・・」
え?

 「封印って…・・・なにそれ」
まるですぐにでも自分に死がせまっていることが分かっているような口ぶりではないか。




 「・・・」
 「・・・」


双方とも、言葉が出ない。

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