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黒白ノ風
517 同様
 「…あぁ」
対してイタチは目を泳がせた。

 「全く、いい年こいて階段3段抜かしなんぞするからだ。気をつけろよ」
 「・・・あ、あぁ」

 「…え?イタ兄も転んだの?」
 「イタチもってことは、サチも転んだんのか。二人そろってなにしてるんだか。・・・俺がお前らの年齢くらいの時はもっと落ち着いていたぞ」

そうとだけ残すと角都は廊下の角へと消えた。



 「・・・」
イタ兄が階段を3段抜かし…
おそらくその時のテンションは私と同様か、それ以上だったのであろう。


イタ兄の楽しみ…に、私がなっている。
それだけでもう嬉しかった。

私なんかでもイタ兄を喜ばすことができるのだと思った。



 「イタ兄!私、気をつけて準備するから玄関で待ってて!!」
 「…あぁ」

再び駆け足で洗面所へと向かった。


その時、
 「あ、サチ!」
玄関の方からイタチの声が…


 「洗面所に石鹸が落ちてたような気がするから気をつけろよ!!」

 「ぇ…」
その場で足を止めれた。
しかし、足の裏に何だか違和感が…


ツルッ
 「うべっ」
石鹸を踏んだ私は見事にお尻から床へと可憐に着地した。

 「もっと早く言ってよ…」
きっとイタ兄もこの石鹸で転んだのだろうか・・・

なんというか…微妙な気持ちになる私だった。

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あきゅろす。
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