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黒白ノ風
49 粉砕
カカシがサバイバル演習の開始を告げる。
 「…よーい、スタート!!」
カカシの合図と共に皆が四方八方へと散り、身を隠した。
この動作が忍としては当然の動きだ。

 「忍たる者、基本は気配を消して隠れるべし」
…よし、みんなうまく隠れたな
…サチの気配がない!?
そう思った後、カカシは馬鹿がいる方向へと向き直る。
 「いざ尋常に勝ーー負!!」
そう、ナルトだ。
これも一応演技なのだろうけど、やりすぎだ。忍んでないじゃん。
忍たる者基本は気配を消して隠れるべし…
なのだが、ナルトに関しては基本もくそもない。
 「あのさぁ、お前ちょっとズレとるのォ」
流石のカカシも呆れ気味。少し気を利かせてちょっとズレてると言った。
まだドベナルトに希望はあるようだ。
 「ズレてんのはその髪型のセンスだろー!」
ナルトはそう叫んだかと思うと凄まじい勢いで走り出した。髪型に関してはあまり関係ないと思う。
するとカカシがゴソゴソとウエストポーチに手を伸ばし、中を探り始めた。

 「うっ」
何をする気だ…?
流石のドベナルトもこの行動に危険を察知したのか足を止め、一歩後ずさる。
 「体術を教えてやる」
バン!
と音がきたのは気のせいであろうか。
カカシがウエストポーチから取り出したのはイチャイチャパラダイス(中巻)だった…
カカシはいそいそとページをめくり、お目当てのページが見つかると読み始めた。
頬を赤く染めているところを見ると18禁ということがうかがえる。
 「…どうした、早くかかってこいって」
 「何で本なんか…」
 「本の続きが気になったから」
上忍とアカデミー生の差をさらに見せつけるかのようにカカシは言う。
そして続けた。
 「お前らとじゃ本読んでても関係ないか…

ドカンッ!

…ら?」

突然の爆発音。
イチャパラことイチャイチヤイパラダイスは粉々に粉砕した。
私が火爆術を使ったのだ。
 「あっ、すいませーんカカシせんせー。先生撃破しようとしたら本に当たってしまいましたぁ」
私はわざとらしく言う。
粉々になった本は、細切れが未だにメラメラと小さい炎で燃えていた。
本当は教育の面前でそんないかがわしい本よんじゃだめですよ?と言おうとしたが、止めた。
ここはあくまでも事故を装って…。
というかこんな場所で本読むなよ。家で読め、家で。
 「んでは、健闘を祈りますv」
私はそう残すと森の奥へと姿を消した。
わぁい。任務(?)完了ー。

 「あ…あぁ…」
もはやカカシは放心状態だ。細切れになったイチャパラを見て涙目になっている。
なんせ愛読本が爆破されたのだから、この行動は当然の如くである。
 「カカシ先生、どんまいだってばよ」
それを見かねたナルト。哀れに思ったのか鈴を取るのも忘れて慰める。

一方、サチは…
さーってと。カカシティーチャーの楽しい顔が拝めたんで寝ますか。
私は森の中で布団を展開し、眠りについた。

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あきゅろす。
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