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黒白ノ風
501 冷静
・・・オレだけを生かした。
ひと思いに殺せばよかったものを…

サスケはそう言った。
だけどそんなことイタチができるわけがない。




しかし…だ。

サスケがその理由に気づくのもそう遠い話ではない。





 「・・・!!」
何やら考えていたサスケははっとしたようにイタチを見やった

・・・理由に気づいたのだろう。




イタチはサスケを生かしたのではない。
殺せなかった。

里の任務とはいえ、サスケを殺すことができなかったイタチ。
その、大きすぎるイタチの想いにサスケは気づいたのだ。




 「・・・くそッ…」
冷静にサスケを観察しているイタチに目を向け、サスケは眉をひそめながら悪態をついた。

 「・・・」
イタチはただそれをなんともないような雰囲気をまといながら見ているだけである。



 「…いつまでも冷静ぶってんじゃねぇよ…」
イタチの想いに気づいたサスケは、その心境も手にとるように分かるのだろう。


 「…オレはいつでも冷静だ」
イタチが答えた。


 「・・・」

 「・・・」





そして、更にこう言葉を付け加えた。
 「今日以外はな…」

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