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黒白ノ風
498 歯痒
 「・・・」
イタチは驚いたように目を見開いてからすぐにうつむいた。




 「・・・」
サスケは真っ直ぐ瞳をそらさずにイタチを見ている。

 「・・・」






静かな、無言の時間が流れる。
このどこかもどかしいような時間が過ぎるのを私はただただ待ちわびた。


 「・・・」

 「・・・」

双方ともなかなか口を開こうとしない。




 「…ぁ」

とうとうしびれを切らした私が言葉をかけようと思っていたところ、イタチが再度口を開いた。
 「・・・オレはお前にそんな風に呼ばれる筋合いなどない」

 「・・・」


イタチが言い捨てた後、またもやだんまりが続くこの空間。



今度こそ私が口を切った。
 「…じゃあさ、私もイタ兄のことイタ兄なんて呼ぶ筋合いはないね・・・」
少し寂しそうに言ってみた。

 「いや、サチはいいんだ」
すると、あわてたように取り繕うイタチ。


 「・・・え〜…。ではこれからイタチさんって呼びますね」
 「なぜ敬語…!?」


 「サチ、そのへんにしとけ…」

 「…ん。」
サスケの一言で私はイタチをからかうのをやめた。

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