黒白ノ風
497 辻褄
何やら考えているイタチをよそにサスケは喋りだした。
「まだ疑心はあるが、さっきの寿命やらダンゾウやら一族やら任務の話・・・オレは信じている…」
「・・・」
「まぁ、何よりつじつまが合っていたからな…」
「・・・」
イタチの表情が無表情から少し和らいだのが確認できた。
しかしまだ何を思っているかは私達にさとらせないでいる。
サスケはイタチに向き直り、言葉を続けた。
「…なぁ・・・アンタが憎くて憎くてたまらなくて、ずっと恨んでいた時もあった。なぜ一族を殺したか…なぜオレだけを生かしたか・・・」
「だが、オレはずっと騙されていて、それが分かった時は何も知らなかった、知ろうとしなかった自分が悲しくなった。・・・そして今日、オレを今までずっと騙し続けてきたアンタは今のオレ以上に悲しかったんだろうと思い知った」
「・・・」
「今さら遅いかもしれねぇし、確認することでもないかもしれないが…アンタのこと・・・こう呼ばせてくれ」
サスケは自らの誇れるものを語るような雰囲気をまといながら、はっきりと言った。
「・・・兄さん。」
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