黒白ノ風
495 忠告
「里抜けする時にわざとサスケがイタ兄を憎み恨むように仕向けたり、中忍試験が終わった後にイタ兄が姿を現したりしたのもサスケの為。」
「なぜ中忍試験が終わった後に来たんだ?」
「ある人に忠告する為」
「・・・ある人?」
「中忍試験の途中で木ノ葉崩しが起こったよね。その時にほかじい、三代目火影が亡くなった…」
・・・あの時の私は無力だった。
「…・・・昔、イタ兄は三代目火影に“サスケを守ってくれ”などという願いを伝えていた」
「しかし、三代目火影がいない以上、サスケの安全は確保されない。だからこそ三代目火影が亡くなった後にイタ兄は姿を現した。サスケをつけ狙うダンゾウに対して“うちはイタチは生きている。三代目がいなくなったからといってサスケには手を出すな”と忠告をした」
「ダンゾウは何かと危険な人だから今後サスケも気をつけてね」
「・・・あぁ」
「・・・」
伝えれた…のか?
ここであれほどまでに強く飛んできていた殺気や殺意がいつの間にか消えていることに気づく。
どうやらもうサスケは戦うつもりは一切ないらしい。
・・・しかし、だ。
サスケはもういいのだがまだ問題はある。
私の後方でサスケの蛇に拘束されているイタチのことだ。
「・・・」
顔を見るのが怖い。
この殺気…きっと私を憎んでいるだろう。
なんせ私はイタ兄の今までの苦労を水の泡にしたのだから。
これでよかったんだ。
そう自分に言い聞かせながら振り向いた。
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