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黒白ノ風
48 演習
 「…ぃ…ぉい…おーいおはよう?…」
 「ぁあ…おはよう」
次の日の朝、演習場で眠っていたところ、カカシ先生に起こされた。
昨日ここで野宿をしたわけではない。
どっかの誰かさんがあまりにも来るのが遅かった。そういうわけで布団を展開し、眠っていたまで。
しかし、せっかく気持ちよく眠っていたのに起こされたので目覚めが悪い。毎朝食べているトーストのパンが欲しいところ。

…もとをたどればこの白髪のおっさんが遅れて来なければ寝てなかったっつーの。
私はだるそうに立ち上がり、布団をしまった。
そろそろ洗濯しなければ。
様々な汚れがこびりついた布団を見てふと思った。
…思い返すと岩場、埃まみれの床、森、この演習場。様々な場所で展開した。世話になってるよな、この布団には。契約した覚えは微塵にもないけど感謝しているよ。ありがとう、布団よ。
 「よし、12時セットOK!」
意味もなく布団に感謝しているとカカシがおもむろに取り出した時計をセットした。
 「?」
皆カカシが何をするかと?マークを頭の上に浮かべた。
チリンと音がする。カカシの手元を見ると3つの鈴が指にぶら下がっていた。そしてカカシは続ける。
 「ここに鈴が3つある。これを俺から昼までに奪い取ることが課題だ」
演習内容を説明するカカシ。
皆それに耳を傾け、大人しく聞いている。
 「先生しつもーん」
私は挙手をする。
ずっと気になっていたことがあるからだ。
 「ん?何」
 「そのボロい時計は誰のですか?」
そう、ずっと気になっていた疑問はこれだ。
漫画をみて、誰のだろうと思った。
私は一度気になると答えが見つかるまで追求したくなる性分でね。
 「…俺のだけど」
ボロいって君ね…
 「そうですか…頑張って下さいね」
何だ、先生のか。極めて普通の返答。
少々ガッカリする私。
一応はげましの言葉も付属しておいた。
 「…あぁ」
何が言いたいんだ…!上忍のくせにボロい時計使っているから給料少ないと思ってはげましているの!?そうなの?
カカシの頭の中で様々な言葉が流れてゆく。

 「…ハァ、鈴は1人1つでいい。手裏剣使ってもいいぞ。俺を殺すつもりで来ないと取れないからな…」
カカシは大きいため息を1つした後、言った。
 「でも危ないわよ先生!」
とサクラ。
 「黒板消し(マヨ付き)もよけれねーほどドンくせーのにィ!」
とナルト。
 「28にもなって独身のくせにィ」
とナルト達に便乗し、私。
 「…ま!ドベ1とドベ2はほっといてよーいスタートの合図で…」
ドベのナルトはキレたのか、クナイを構え、カカシに襲いかかる。
が、カカシはナルトの手をつかみ、それを阻止する。
カカシに向けられていたはずのクナイは今やナルトへと向けられている。
カカシが余裕の表情を浮かべているところを見ると上忍と下忍の力の差は歴然だ。
まぁナルトが本気になれば違うが。

 「そう慌てんなよ…まだスタートは言ってないだろ」
うそ、まるで見えなかった!
これが上忍か。
調子に乗るなよバカカシが!
うーん、やっぱカカシ先生も格好いいわ。
上から順にサクラ、サスケ、ナルト、私だ。
 「ククク、やっとお前らを好きになれそうだ。…じゃ始めるぞ!…よーい、スタート!!」

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