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黒白ノ風
491 脱力
…伝わらなかった。
サスケの中では私の話を親身に聞くことよりも目の前にいるイタチへの復讐心の方が勝ったのだ。

 「・・・っ」
これまでか。
私は脱力感に襲われ、その場にへたり込んだ。



 「邪魔が入ったな・・・」
 「…あぁ。」
 「再開だ」



刃物の交わる音が響きはじめた。
イタチの手裏剣とサスケの手裏剣が火花を散らしている。

この場所に私の入る余地はもうない。


辺りに手裏剣と手裏剣の破片が幾つも散らばってゆく。
キン キィン ガッ ギィン
止むことのない金属音。

バチチッ
 「・・・?」
不規則ながらも鳴り響いていた金属の音の中に雷鳴がまざった。




その音の出所、雷遁を帯びた手裏剣はサスケから放たれていた。
けたたましい音を発しながらイタチの放った手裏剣をどんどん弾いてゆく。


グサッ
 「ぐっ…」
手裏剣はイタチの左肩に突き刺さった。
地面に赤い血が滴り落ちる。



 「・・・」
勝敗は始めから分かっていたのに…
私は拳を握りながら立ち上がった。



形勢崩壊を確認したサスケは更にイタチとの距離を詰めた。
そして手に持った草薙の剣を振り上げ、切り付けた。



ザッ
 「っ…!」
肉を裂く音が辺りに響いた。

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あきゅろす。
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