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黒白ノ風
487 律儀
 「何だ?」
イタチは律儀にもサスケに応える。


 「・・・」
私は印を組む途中の手を降ろし、サスケの話に耳を傾けた。



 「サチのことだ」
 「・・・」
ここでイタチの瞳が少々ゆらいだのが確認できた。

 「サチはここに来る数時間前に“サスケはきっと後悔する”とオレに言った・・・なぜそう言ったか理由は分からないが…」
 「・・・」

 「ずっとその言葉が引っかかっていた。サチがオレの前でイタチ、お前の話をすることはまずない。…それにサチは重要な言葉をよく考えてから言うやつだ」
 「だからどうしたというのだ?」


 「お前がまだ何か隠しているんじゃないかと思ってな。うちは一族のことよりそっちの方が気になったから聞いているまでだ」



 「・・・クク…サチといて随分と丸くなったなサスケ。前の憎しみはそんなものなのか?オレに裏切られ、両親を殺され、全てを失ったお前の憎しみは…」

バチチッ
突如、長細い棒状の千鳥がイタチの頬をかすめた。
 「…っ!?」
イタチはサスケの攻撃に反応できなかった自分に対し驚愕の表情を浮かべている。

自らの頬から滴り落ちる赤い血を見ていた。


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