黒白ノ風
486 幻術
石造りの広い部屋。
ひんやりとした空気がただようこの部屋はうちは一族のアジトと呼ばれる場所だ。
私はサスケとイタチの気配を辿り、ここまで来た。
結界を展開させながら目的地に到着した私の目にうつったのは直立不動の二人。
それを確認するなり、すぐさま端の方に移動した。
イタチとサスケは睨み合うようにして一歩たりとも動こうとはしない。
これは幻術をかけ合っているのだ。
今、出て行ったら間髪入れずイタチに幻術をかけられるだろう。
私は幻術を解くことが出来ない。
そのため、もしそうなってしまったとしたら・・・終わりだ。
最良の機会を見計らって出ていこう。
そう考えていた。
「・・・」
長い…
少しの時間だが、戦闘においていえば随分と時間が経った。
二人がどのような幻術を掛け合っているかはだいたい想像がつく。
「・・・!」
二人とも少し動きはじめた。
幻術の掛け合いを止めたのだろう。
…今しかない!
一瞬の判断だった。
私は結界を解こうと印を組みはじめた。
「・・・あともう一つだけ聞きたいことがある…」
結界を解こうとしたのだが、そんな私をよそにサスケが喋り始めた。
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