黒白ノ風
481 空気
「・・・」
森を駆け抜け、岩場を駆け抜け、また森を駆ける。
今回の目的地、うちはのアジトは先程私達がいた場所からはだいぶ離れていたようだ。
今回の移動では前のように座り込んで休憩をとろうとする者はいない。
それが出来ない雰囲気が出来上がってしまっているのだ。
忍びならばこのスタイルが当たり前なのだがこのメンバーでは騒がしくなくてはいられない。
・・・だというのにこの空気だ。
原因はサスケ。
出発した時より仏頂面をかまし、その上殺気を放っていた。
しかも移動のために木々の間を飛んでいるのだが、この動作をする度にサスケの殺意がどんどん膨れ上がっていっているのだ。
「・・・」
この空気は嫌いだ…
サッスン超怖いし。
これは私のせいなのか…?
別に私はいいとして香燐とか水月とか重吾に申し訳ない気が…
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「ま…」
「・・・?」
「マヨネーズっておいしいよね〜。」
「・・・あぁ、そうだな」
「・・・」
…うん。
サスケは絶対私の話を聞いていないな。
メンバーの話を受け流す程までにサスケはイタチを殺すことで頭がいっぱいなのだ。
サスケの殺気が一気に膨れ上がった。
もうそろそろ目的地に到着するようだ。
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