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黒白ノ風
46 待機
 「遅い」
イルカ先生に担当上忍が来るまで待ってろ。
と言われたものの、一向に来ない。
来る気配すらないのだ。
おそらく、というより絶対、私達の担当上忍は遅刻ぐせのあるカカシ先生だ。
原作でもそうだし。
7班のメンバーを見渡す。
ドベのナルトは待ち切れないご様子で教室内をうろうろしたりソワソワしている。
 「ナルト、じっとしておきなさいよ!」
それを見かねたサクラが一言。
 「何で7班の先生だけこんな遅ぇんだってばよ!」
 (ぜってーカカシだ!最悪!!)
そう言うとナルトは黒板消しにチョークを塗りたくりはじめた。
それをどうするかと思えば、教室のドアにはさんだ。
開けた瞬間、入って来た人に直撃…という寸法だ。
 「ちょっと何やってんのよナルト!」
そう言うものの、頬が引きつり、サクラは今にもにやけ出しそうだ。
しかし、こんだけ待っているにもかかわらず、色つきの黒板消しを落とすだけでは物足りない気がする。
 「甘い、甘いすぎる。こういう時はマヨネーズをかけるのが先決だ!」
そう言い、私は懐からマヨネーズを取り出した。
そう、私の懐は魔法の懐なのである。(嘘)
何故マヨネーズを持っているか。
好きだからである。そんだけ。

にょろー
と少し粘着性がある音を発し、ボトルからマヨネーズが出された。
それはしだいに黒板消しを白く染めてゆく。
私はもう原色を留めていない黒板消しを教室のドアへと挟んだ。
少しするとマヨネーズが滴り落ちてきたが気に止めないでほしいところ。
 「サチ…黒いってばよ」
 (ナイスだ、サチ!)
 「ふふっ」
 (この位しないと気がすまん)
裏で会話術を繰り広げる私達。
ナルトは相当恨みがあるようだ。カカシ先生に対して。
 「私知らないからね」
そう言いつつにやけているサクラ。
内心とてもワクワクしているであろう。
 「フン、上忍がそんなベタなブービートラップに引っかかるか

ガラッ ベチョ

……よ?」
サスケがもっともらしいことを述べている最中ドアが開き、マヨネーズが拡散する音がした。
 「な、何コレ!」
音がして間もなく驚きの声が上がる。
カカシ先生は頭に付着したマヨネーズを必死でのける。
しかしそんな努力もむなしく、もっとひろがるのだった。きれーな銀色の髪はマヨネーズによって黄色へと染まりつつあった。
 「きゃははは!引っかかった引っかかった!」
 (ざまぁみろ!!)
とナルト
 「先生ごめんなさい。私は止めたんですが…」
とサクラ
これで本当に上忍か?
と思っているであろうサスケ。
 「先生大丈夫デスカー?」
にやけながら私。
そんな個性的なメンバーを見かね、カカシは一言。
 「んー、お前らの第一印象はぁ…最悪だ!」
嫌いを越え、最悪。最も悪らしい。
この一言で周りの空気は沈みに沈むのであった。

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あきゅろす。
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