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黒白ノ風
470 突然
 「・・・けほっ・・・なにこれ…!」
次の朝、埃っぽさにむせて起きてみればなんと宿屋が全壊していた。

瓦礫が私の上にのしかかり、今でも圧力をかけている。
 「よっ!!」
バキィ
押し潰されなくてよかったな…
などと冷や汗を流しながら瓦礫を足蹴りしてどけてから辺りを見回した。
どうやら本当に全て潰れてしまっているようだ。


宿屋のない風景はどこか殺風景だ。
そしてやけに土埃が鼻につく。
 「…一体何が…」

一夜にして潰れてしまった宿屋。
一体全体なにがどうなっているのかわからなかった。

 「サスケー!」


 「香燐ー!水月ー!」


 「…あ、重吾ー!どこー??」


 「・・・」
瓦礫に向かって話し掛けてみるものの返答は一切ない。

…みんな押し潰されてしまったのだろうか。
一抹の不安がよぎる。

 「サスケー!!!・・・」
今一度叫んでみたが、当たり前のように返答はない。

 「…そんな・・・」
…みんないなくなってしまった…?





・・・いや、そんなことない。


ガシャ
くじけそうになった自分を押しやり、近辺にある瓦礫をどけはじめた。
…私がいたのはこの場所だ。きっとみんなもこの近辺にいるはずなのだ。





 「そこには誰もいないよ」



気配が全く感じられなかった。
後方から声をかけられた私は驚きを隠さずにバッと後ろへと振り向いた。

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あきゅろす。
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