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黒白ノ風
45 優劣
 「ナルトォ、受かったんだね!」
 「あぁ、イルカ先生に貰ったってばよ!」
ナルトが受かったことはもう知っているのだが、一応演技をしておく。
ナルトものってくれた。
しかし一々演技に付き合うのはめんどくさい。
演技をしている本人のほうがめんどくさそうだと思うけど。

それにしてもナルトが座った席の反対側にいる人が超まぶしい。
ナルトと話しをしているにもかかわらずにそちらに目がいってしまう。ダイヤモンドよりまぶしいぜ。やばいぞこのやろう。
 「おっはよーサッスン」
そう、サスケだサッスンというあだ名は私が勝手につけた。
 「その呼び方やめろ。ウスラトンカチ」
勝手につけたはいいが、サスケは嫌がっている。
最高のネーミングセンスだと思うんだけどな。
 「またまた照れちゃって」
…そうか、照れ隠しか。サッスンというあだ名があまりにもよすぎて嬉しいんだな。
激しく勘違いをしている私。

それにしても…ウスラトンカチ、いい響きだ。
やば、私壊れてきたかも。元から(笑)
…うわっほー。そう意識するとやばいよーまじかっこいいよーさすけーあははー
 「サチー、ちょっとそこいい?」
1人だけの世界に突入する一歩手前、横からサクラが話しかけてきた。
本当に話しかけてきてくれてよかったと思う。
 「おっはよー。隣どぞ」
そう言い、私は少し横へとすれた。
しかし隣どうぞと言ったものの、席がない。
一つの机に椅子は3個しかないのだった。
するとサクラは何を思ったのかナルトを蹴った。
一方、蹴られたナルトはうべとか言って椅子から転げ落ちた。
いってー!とか言っている。
 「ナルト、あんた通路に座って」
サクラはナルトにそう吐き捨てた。
確かに他に席が空いていない。
通路に座る他無いようだ。
ナルトはぽつんと通路で体育座り。
 「…サクラちゃん、ヒドイってばよ」
 (サチ、こいつ殺していいか?)
ナルトはうなだれ、言う。同時に会話術も来た。
…この様子からするとかなりご立腹のようだ。
 「はいサチ、どうぞ」
ナルトを蹴落とし、空いた席を勧めるサクラ。
 「あんがと」
一応座っとく。
しかし、通路の斜め下からの殺気が痛いんですけど。
こんな場所で殺気は出さないでほしい。
隣のサクラはというと、サスケに接近中である。
時間がたつにつれて規則的に1センチ1センチ横へずれている。
そのサクラの心情は計り知れないものがあるだろう。その証拠に目がイッている。

またまたナルト、横にいたハズのなのにいつの間にかサスケの目前に行き、サスケを睨んでいる。サスケも同じ。
 「ナルトー、行儀悪いー」
机の上乗るなんて、駄目じゃん。
…ぁ、そういえばこの後、あの感動(?)のシーンが…やばい。止めなくては。
 「ナルト!ぁ…」
遅かった。
ブチュ、と効果音が聞こえたのは気のせいだろうか。
ナルト達の前に座っている人がえーうっそー。などと話している時、肘がナルトに当たり、ぶちゅ。
となってしまった。
技名はえーうっそーアタックである。
…嘘である。
 「てめ、ナルト殺すぞ」
サスケは堂々殺人宣言。
 「グォオォ、口が腐るゥー!!」
 (もう、死にてー!)
ナルトはというと会話術で自殺宣言。
 「ナルト、私というものがありながら」
私は嘘泣きをしてみる。
もう起こってしまったことは仕方ない。
 「ナルト、あんたね…うざい」
サクラは目の下の影を濃くしながら言う。
サスケのファーストキスを狙っていたからには怒って当然である。
パキポキと意図的に鳴らす骨の音が恐怖心を引き立てる。
 (ナルト、がんば)
これから起こるであろうことを想定し、今のうちにナルトをはげます。
助けて…と会話術が聞こえた気がするけど、きっと気のせいだよvうん。
この直後ナルトはボッコボコにされ、通路に捨てられていた。

ナルトの制裁が終わりイルカ先生の長ったらしい話しが始まった。
私はそれをを右から左にスルーした。
そうしていたらいつの間にやら終わっていた。
その後次々と班が発表されていく。
どうやら私は7班。ナルト、サスケ、サクラと一緒である。
 「イルカ先生!何でよりによって優秀なこの俺がコイツと同じ班なんだよ」
ナルトはサスケを指差し、言う。コイツとは只今ナルトが指差している人だ。
 「サスケは卒業生28名中1番だ。ナルト、お前はドベ!いいか、班の力を均等にすると自然とこうなるんだよ」
イルカ先生はナルトに言い聞かせる。
自然とこうなるのか…んじゃあ私はどの程度の成績なのだろうか。
 「先生、優秀な人、2人もいていいんですか?」
と私。普通に過ごしてきたからまぁ優秀な方だろうと踏み、こう言った。
 「…サチ、お前は2番目だ。ドベからな」
2番目か、流石私。…ちょまて、ドベから2番目?ってことは下から2番目?普通の2番目からだいぶかけ離れてるよ。オイ。
あ、そういえばキバ達と授業さぼったりしたんだ。
はっきりいうと忘れてた。すごく劣等生。
これは挽回せねば。
もうこれから術とかバンバン使っちゃえ。
暗部なんて知らね。
そう開き直る私だった。

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あきゅろす。
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