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黒白ノ風
464 不足
 「そ、それは大変だね…」
少々哀れみを込めた目でそう言うと…

 「ねぇサチはどっちのほうが大きいと思う?ボクには両方とも同じに見えるんだけどな…」
そう言いながら水月は半分に分かれたプリンを私の前に差し出した。

見事に半分に切れたような…
しかし少しいびつに切れたような…
 「…えと、片方が大きいような大きくないような…」
 「「どっち!?」」
曖昧な発言をすると香燐と水月に詰め寄られた。

…怖っ。


 「・・・」
サスケに目で救助を求めるものの…
 「・・・」
スッ
そらされた…

 「・・・」
今気づいたのだが窓際に座る重吾は…
小鳥さんとたわむれていらっしゃる・・・

 「「どっち!!?」」
 「・・・」
マジ怖ェ…


 「・・・えと…」
…何かこの状況を切り抜ける方法はないのか…
 「…あ!!」
そうだ!



 「・・・あのさ、んじゃあもう一個プリン買えばいいんじゃない?」
そうすれば均等もなにもない。

 「両がない」
 「同じく」
じと目で香燐と水月は呟く。
 「…私も売店行くから。2人には色々お世話になってるし」
特にお世話にもなってもいないがこう言っておく。
しかも暗部をやっていたこともあり、私には両が有り余っているという余裕からきた発言でもある。

 「買ってくれんの?」
 「ん。」




ガチャッ
 「サチ行こ!」
 「早く!!」
物凄い速さで香燐と水月がドアを開けて私を促した。
 「今行く!」
私もポーチから財布を取り出して香燐と水月に続いた。

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あきゅろす。
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