黒白ノ風
462 豪華
「まぁいいや。んじゃあちょっと売店行ってくる」
「メシは食べねぇのか?お前腹減ってるだろ?」
「うん、だから売店に買いに行くの」
「・・・冷蔵庫開けてみろ」
「え?パシリ?」
「違ェよ。いいから開けろ」
「…はいはい」
もはや命令系になってんじゃん。
頼み事はもっと優しく言わなきゃだめだよ。
畳のにおいをまといながら冷蔵庫へと歩を進めた。
スッ
古びた冷蔵庫を開ける。
そこには・・・
「うわわ、割り箸にご飯に漬物…刺身ィ!ステーキィィ!!?」
「サチの分だ」
「・・・」
目の前にずらりと並ぶ豪華ディナーを凝視する。
まず目につくのはまだ新鮮さを帯びた刺身だ。
甘海老が頭ごと豪快に盛ってある。
その頭より下にはプリプリの身がつやつやと光を放っている。
隣にはマグロやサバの切り身。
肉厚な刺身の表面にはいい感じに脂をのっけており、まるで食べてと言っているようだ。
そしてステーキ。
しっかりと焼かれた表面とは裏腹に中身はまだ焼き上がっていないかのように赤を覗かせている。
焼き加減でいうと…レアだ。
どれもこれもとてもおいしそうだ。
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