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黒白ノ風
453 森中
 「・・・」
やばい。
ナルトが移動を始めた…
あれからずっと捜していたが、見つからなかった。
あげくの果てにはナルトが移動してしまう始末。

空は夕焼けの名残がないほどに黒い夜に包まれている。
静寂の森は不気味さを増し、幽霊でも出てきそうな雰囲気だ。

 「・・・ハァ」
一旦木にもたれ掛かり、ため息をつく。
やっぱ私って体力ないな…
改めて自分の弱点を知る。

…ナルトは見つからない。
完璧なまでに姿をくらましてしまっている。
はやくナルトを見つけなければ…
・・・それか、ナルトに見つけてもらうか…



 「・・・」





 「あ。」
そうだよ・・・
今になって今日の自分の行動が馬鹿に思えてくる。

見つからないなら見つけてもらえばいい…
私も無意識ながらもナルトと同じく気配を絶っている。
敵に気取られないために。
しかしそのままではナルトの方から見つけて貰えるはずがなかった。


 「・・・ハァ」
先程よりもでかいため息をつき、自分の緊張を解いた。
 「…なんだ、サチじゃねぇか」
するとあら不思議。
ナルトが瞬身の術で現れたではないか。

 「あっ、こんにちはー」
 「今はこんばんはだろうが」
ナルト、鋭いツッコミをありがとう。
 「あはっそうだよね・・・あのさ、夕方ぐらいからこの辺りでナルトのとこ捜してたんだけどさ。何か私の気配とかしなかった?」
 「・・・あぁ、あの不審者じみたチャクラはサチだったか」


 「・・・」
ともかく、無事にナルトを見つけることのできた私だった。

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