黒白ノ風
449 理由
「フン…よく覚えてたな」
サソリは鼻をひとつ鳴らしてから
「・・・まぁ、俺が言った馬鹿なヤツはもう涙目だけどな」
奥で笑いながら私に目を向けた。
そしてサソリは私のもとまで来たかと思えば
「これでテメェに命助けられた借りは返したからな」
そう耳元で呟いた。
「あ…」
そのまま私を通り過ぎてアジトの中へと消えるサソリの背中を見詰める。
「ありがと!!」
とっさに出た言葉。
サソリは返事と言わんばかりに片手を上げる。
(それに、そのちょんまげ爆発小僧がいなきゃ調子出ねぇしな)
そうやって会話術まで飛んできた。
私はサソリの姿が見えなくなるまでずっと見ていた。
「二人ともなんなんだよ…うん…」
振り返ると落ち込むデイダラの姿。
「・・・よかったね!デイダラ!!」
思っていたより芸術コンビも仲がいいな。私はうなだれるデイダラに声をかけて、
「・・・あはv」
少し笑ってから今度こそ暁のアジトを後にした。
「ホントに何なんだ…」
その後、デイダラは知恵熱を出してアジト前に倒れているのを角都と飛段に発見されたとか。
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