黒白ノ風
443 白想
「・・・」
どれくらい…って…
白が私に聞いているのはどのくらいの範囲なのだろうか。
イタチの好物?身長?年齢?
表面的なことか…
それともうちは一族の…
内面的なこと・・・?
「イタチさんは病気を患っています」
「それは…知っているよ」
「…そうですか」
「・・・」
白が言いたいであろうことはいたって表面的なことだった。
「・・・そして…イタチさんは病気を患いながらも何かを成し遂げようとしています」
「・・・」
やはり内面的なものか…
目まぐるしく変わる白の発言に私の考えも変わっていく。
白は少し感づいているのだろう。
これは仲間に目を向けることのできる、心に余裕がある白だからこそ気付けたことなのかもしれない。
「イタチさんは何をしようとしているのかは分かりませんが…そのイタチさんはまだ暁に慣れていないボク面倒をよく見てくれました・・・」
「・・・」
イタチらしい。
おそらく白を放ってはおけなかったのだろう。
私のときと一緒だ。
もし3年前のあの時、イタチが様々なことで私をサポートをしていてくれなかったら今の私はない。
白に関しても私に関しても面倒見のいいイタチだからこそできたことだった。
「なのでボクはボクなりにイタチさんに恩返しをしたいと思っています。暁の任務を沢山こなしたり、鬼鮫さんの料理を手伝ったりして、直接ではありませんが恩返しをしているつもりです。が・・・まだ足りません」
「・・・」
白も昔と変わらなく、ずっと優しいままだ。
何だか温かい気持ちになる。
「ボクにもできることがあったら言って下さいね」
そうやって白はにこっと笑ってから再びイタチへと目を向けた。
「・・・」
そんな白とイタチを私は微笑みながら見詰めたのだった。
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