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黒白ノ風
439 不快
 「あぁー!イタチ先輩女の子泣かしてるー!!」
その扉には目を向けるまでもなく、入ってきた人の正体は私の中でハッキリしていた。

常人には解けないような強力な結界をはっていたのにもかかわらず、そこをいとも簡単にすり抜け、侵入してきながら余裕をかましていられるのはこの暁のアジト内で一人しかいない。



 「あれれ?もしかしてもしかすると新入りの女の子ですかー?」
 「・・・トビ、今オレはこの子と話をしている。どこか行っててくれ」

そう、トビことうちはマダラだ。
まぁ、うちはマダラなのかも定かではないのだが。



 「先輩冷たいですねー…」
 「・・・」
私はただトビのところを睨むのみである。
イタチと私の領域に無断で踏み入るトビを不快に思った。

 「・・・」



 「ボクにも紹介して下さいよー・・・」
トビは間をあけてから

 「“柏”の末裔。そのお嬢さんのことを…ね」
こう言った。




 「!!」
息がつまった。
驚きすぎて固まってしまったのだ。
そして少ししてからバッと顔を上げた。


なぜ知っている…?


その時、トビのオレンジ色の仮面の下に見える片方の目は三日月形に吊り上がっていた。

 「…まさかイタチと知り合いだったとはな」
わけもわからないままトビは私に詰め寄ってくる。


対して私は反射的に後ずさりした。

そしてそのまま得体も知れない者に恐怖をおぼえながらそのオレンジに染まった仮面の下に潜んでいる目を凝視した。


メカニズムはよく分からないが結界をすり抜けたということは分かる。



・・・しかし、どうして私の事を知っている?
今まで接点は無かったはず…

最大の疑問が浮かんだ。

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あきゅろす。
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