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黒白ノ風
438 此儘
 「身近な人がオレのことを知っている。それだけで心が軽くなった」
 「・・・」


 「サチは時々不思議な雰囲気をしてる。何か大きな流れを変えることができると思い込ませてくれるような不思議な感じだ」

 「それは初めて言われた…」



 「オレのことをサチは知っている。そのことだけで・・・もう十分だ。だから…」
イタチはもう一度微笑んで、

 「・・・」




 「今のままでいい」
と言葉を繋いだ。





 「・・・」
そんなこと言われたら、私も引き下がらないわけにはいかない。
が、言いたいことは山ほどある。

今だにイタチは自分に嘘をついている。
サスケともう一度親しく話したいと思っているだろう。
一族の復興は願ってはいないものの、木の葉の里の行く末も気になっているだろう。
もっとイタチの趣味の甘処めぐりもしたかっただろう。

それを諦めてまで…



 「・・・」

 「・・・」


双方とも見つめ合う。

その決意はイタチの目が物語っている。
そんな感じだ。

イタチの瞳は先程の紅いものとは打って変わって深みのある優しげな黒になっている。写輪眼をしまったのだ。


 「・・・」

 「・・・」


ガチャ
突如、静寂が漂う室内に開くはずのない扉の開く音が響いた。

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あきゅろす。
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