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黒白ノ風
437 同情
 「・・・」
気付いた時には泣いていた。

 「・・・サチ、なぜお前が泣く必要がある?」
 「・・・・・・…勝手に出てきた」
私はイタチのほんの一部の過去を知っているだけ。



この気持ちは同情なのかもわからない。

もし自分がイタチの立場に立たされたら…など考えていたことがある。
心が暗い闇に沈んでしまうような感覚に陥った。
それ以上は怖くなって考えるのをやめた。



 「…でも、最後まで…そんな、生き方・・・ッ…」
 「・・・」


 「…悲しすぎるよ」

 「・・・」



 「・・・」





 「・・・そうでもない」
浅く笑うような表情のイタチ。
悲しげで、それにどこか嬉しそうだ。

 「・・・」
…ここでやっとイタチの生き様を哀れむような発言をしてしまった自分を呪った。
その生き方を否定するような発言をした自分を。



 「こんな思いをするのは・・・オレ一人で十分だ」

 「・・・」

 「それにもう悲しくはない。サスケやサチがいるからな」

 「・・・」
イタチの話を聞きながらも私の目から勝手に零れる涙は止まらない。



 「そんなに泣くな。綺麗な顔がだいなしだぞ?」

 「…〜」
微笑みながら私の頭に手を置くイタチはいつの間にかチャクラを練るのを途中でやめていた。
もう敵意はないようだ。

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あきゅろす。
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