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黒白ノ風
430 無変
ところ変わってアジトのリビング。

 「元気だったか?妹よ!」
 「うん!」
 「兄さんはな…あれから心配で心配で夜も眠れなかったんだぞ」
 「・・・」
いやいや、寝ようよ。

またまた相変わらずのイタチに安心を覚えながら出されたお茶をすする。


 「・・・」
ここでやっと私はこの暁のアジトに来た目的を思い出した。
いや、思い出してしまった。

 「デイダラもサチが来るのを楽しみにしていたのだがな。今はいないぞ」
 「…そっか」


 「・・・」
どう切り出す…
何から話す・・・?


今のイタチの笑顔が敵意に歪むところは見たくない。




 「・・・」
私は今更怖じけづいた。
色々なことがアタマの中でぐちゃぐちゃに混ざって渦巻いている。

ここに来た目的はただ一つ。
そして選択肢は話すか話さないの二つしかないというのに。



 「・・・どうした?今日のサチは元気ないな…」
イタチは私の顔を覗き込みながら怪訝そうに問いた。

 「・・・!」
どうやら表情や雰囲気に出てしまったらしい。


 「…いやいや!元気モリモリだよ!!v」
慌てて取り繕う。


 「・・・」
 「・・・」



 「・・・そういえばサチ・・・・・木の葉の里を抜けたんだってな…」
少し間を空けてイタチは呟くように言った。

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