黒白ノ風
428 門前
先程まで土砂降りだった雨は嘘だったかのようにすっかりと晴れた。
目的地の繁華街の近くにある森まで歩を進めた私達は一旦ここで足を止めていた。
辺りを覆い尽くす森林が心を落ち着かせる。
「ここからは全員別行動だ」
サスケがそう言う。
「・・・」
別行動ということで私はこれからある人のもとへと行こうと思っている。
本当はサスケについてきいたいところだけど、こればかりは譲れない。
その人に門前払いにあうかもしれない。
・・・というより門前払いにあいに行くようなものだ。
嫌われるかもしれない。
・・・だけどこれは私しかできないことだ。
「・・・」
サスケのもとを離れた私はまだ森の中を駆けていた。
手頃な木を足場に次の足場へと移動することを繰り返す。
単調なことを繰り返すのは簡単だ。
しかし、今この状態からいきなり後ろ向きに進むとなれば難しい。
バランスを崩して落ちるか、木に激突するのが関の山だ。
今まで普通に接してきたある人。
そのある人、うちはイタチに対して私が今まであまり触れないできた
“イタチとうちは一族の過去の事情”を知っていると話し、イタチとサスケの今後を話したらどうなるだろうか。
敵視されるか、気味悪がられるに違いない。
れから私がしようとしていることは結果が目に見えているほど難しいことだ。
今の私の目的地は・・・
暁のアジトだ。
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