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黒白ノ風
427 出発
猫バアのアジトを後にしてから数分。
雨空にはどんよりと曇がかかり、また雨足が強まってきていた。

 「ここから数キロ離れた繁華街でイタチの捜索を行う。各自情報収集を頼む」
 「分かったよ」
 「しょうがねぇけどやってやるよ」
水月と香燐。
 「了解!!」
そして私だ。

重吾はというと無言でうなずいただけだった。



イタチの捜索。
情報収集。

サスケは草の根をわけてでもイタチをくまなく捜すつもりだろう。

晴れない思いを晴らすべく。

イタチを殺しても無意味だということを知ってか知らずか復讐を果たそうとしている。



 「・・・」
私もあれから色々と考えをめぐらせた。
一族と兄弟と復讐と真実。



イタチの真実を知るのは
今や私とトビとダンゾウとご意見番のホムラ、コハルのみ。

トビはサスケの復讐が終わってからわざわざ真実をサスケに告げた。

そのせいで復讐の矛先は木の葉の里へ。

ダンゾウやホムラ、コハルは喋る気配は一切ない。



あと真実を知るのは私のみ。



 「・・・」
・・・答えが出た気がした。


 「・・・」
私が…




 「行くぞ」
サスケが出発を告げる。


様々な思いを胸に私は土砂降りの道を駆けはじめた。

場所渡リ篇 完

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