黒白ノ風
417 苛立
「アレ?戻ってきちゃったな・・・やっぱりまっすぐの道か…」
水月は再び同じ風景に出くわしたことについて呟く。
「お・・・お前らは、一体何が目的だ…?」
倒れている囚人さんが水月に話し掛けた。
「重吾を仲間にしたくてね…連れ出しにきただけだけど」
「クク…自分達が何しようとしてんのか…分かってんのか?」
「・・・?」
「重吾なんかをこの世に放したら…」
「ボクも同感。けどボクが言い聞かせるさ」
「クク・・・強いといってもアンタ程度じゃ…」
ドカッ
「ぐあ!」
囚人さんの腹を思い切り足蹴にし、続ける。
「キミ…サスケの言葉が無ければ今ごろ死んでたとこだよ」
凄みを効かせて言ったつもりだろう。
「クク…てめぇらなんか重吾に殺されちまえ…!!」
しかし、水月の脅しも虚しく苦しい胸を上下させながら囚人さんは罵声を浴びせた。
「一人くらい構いやしないか…」
その言葉に苛立ったのか水月は刀を取り出した。
そして首斬り包丁の形に変形させてから囚人さん目掛けて思い切り振り下ろした。
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