黒白ノ風 410 建物 「わぁお、ステキな岩場」 あれからだいぶ歩いた。 私は辺りを見回しながらむきだしの断崖の雄大さに感嘆の言葉を漏らした。 このような景色をまじまじと見るのは久々。 里外での任務は数え切れないほどこなしてきたが、今のようにのんびりとしながら景色を眺めるという機会がなかったためだ。 それに、結構前に食べた団子のおかげであまり疲れてはいない。 「おっ!」 ここで私はあるものを発見した。 崖のてっぺんに家が建っているというものだ。 「ねぇサスケ、あれ何?…少林寺?はたまた何か仙人とか住んでんの?・・・あっ、まさかのダイワハウス!?」 「・・・ウスラトンカチ…」 少しの間の後に一言。 「・・・」 いやウスラトンカチはないでしょ。 どんだけ答えるのめんどくさがってんだよ。 …いや、まさか・・・ あの家は、あの家はウスラトンカチと言われている家… 「ここは北アジトの玄関みたいなところだ」 香燐の言葉にはっとする。 だよね。そんなわけないか。 「そうなんだ」 …ウスラトンカチなんて家聞いたことないよ。 香燐の答えに耳を傾けながらうなずく。 「じゃあもう着いたの?」 「そういうことだ」 やっと北アジトに到着したらしい。 …サスケのとこ、この前からかいすぎたかな。 まだ怒ってたりして。 サスケの冷たい対応に対する様々な想像を巡らせながら私は歩を進めた。 [←][→] [戻る] |