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黒白ノ風
402 解放
牢屋へと向かった水月。
そこには沢山の人が生気を無くしたように座り込んでいた。
水月も少し前まで大蛇丸によって捕らえられていたためこの牢屋にいる人の心情はより一層深く理解できるようだ。
足早に牢の入口へと移動した水月は鍵を取り出した。

 「誰だお前は」
鍵の音に反応した囚人さんは水月に問いた。

 「大蛇丸が死んだ」
水月はさして自分の名を名乗る様子もなく大蛇丸のことだけ告げた。
 「!!」
 「大蛇丸が…!」
 「やはり噂は本当だったのか!」
 「やったのはうちはの小僧か…?」
 「これで自由に…」
質問の答えにはなっていないのだが、水月の発言により牢屋内は一気にざわついた。

 「やったのは・・・サチっていう忍と赤砂のサソリだよ」
 「…そうか」
 「赤砂のサソリだと?」
 「サチってヤツは誰だ…?」
 「何処の忍だ?」
 「聞いたこともない名前だな」
またもやざわつく牢屋内。

 「そうだ!…俺達はどうなるんだ!??」
 「・・・もちろん自由だよ」
ざわついた牢屋内からひときわ目立った質問のみに水月は鍵をちらつかせながら返答した。

 「…で、解放する代わりにお願いがあるんだ」
 「な、何でも言ってくれ!!」
囚人さんの瞳は光り輝いている。
薄暗い牢屋からの脱出を今か今かと心待ちにしているのだ。
今ならどんな願いでも聞いてくれるだろう。

 「大蛇丸は倒された。大蛇丸を倒したサチが属する小隊の隊長はうちはサスケだ・・・ここから出たらそれを広めてくれ・・・」
水月は言葉に詰まった。
ただサスケのことだけを広めるのも面白くないと思ったのであろう。
 「この世に平和と安定をもたらす・・・カップルが現れた…とね」
水月は自分の発言を心の中で笑っていることだろう。

大して重要でもないような用件を伝え終わると水月は持っていた鍵を鍵穴に差し込み、
ガチャ
回した。


ほぼ同時に香燐とサスケのいる部屋の鍵はかけられた。

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あきゅろす。
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