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黒白ノ風
401 困難
 「はぁ!?」
石造りの部屋で香燐の声がやけに響く。

サスケは
 「お前の能力が必要だ」
・・・などと言っている。

もし私がサスケにそんな言葉をかけられたら、例えどうなったとしてもついていってると思う。
今は勝手についてっていて、ストーカー呼ばわりされてるけれども。
そう考えると何だか香燐が羨ましくなってきた。

 「何でウチが!!」
しかし私と対照的に香燐の返答はよろしくないようだ。声を荒げてサスケの勧誘を断った。

それにしても、香燐はサスケに思いを寄せていたはずだけど…
 「・・・」



・・・そうか、ツンデレを極めるとこうなるのか。
頭の中で勝手に答えを出した私だった。



 「ウチは大蛇丸にここを任されてんだよ!」
 「その大蛇丸ならとっくに死んだよ」
と水月。
 「…サスケがやったのか?」
 「違うよ」
 「じゃあ誰が・・・」
 「そこにいるサチと、サソリってやつが倒したんだってさ」
 「・・・サソリって…あの赤砂のサソリか?」
香燐は水月の話を聞き、すぐ私に問いた。 「うん、そだよv」
当たり前のように返答をする。

 「・・・まさかこんなアホみたいなヤツが大蛇丸を…それも赤砂のサソリと…・・・まさか、こんなヤツが…?・・・あ、妄想か。そうかそうか。それにしても全くありえない妄想をするもんだな…」
香燐は呟いたつもりだろうがモロに私に聞こえている。
とりあえず香燐から見た私の第一印象はアホということが分かる発言だった。
・・・オイ、ちょっと傷ついたぞ。

 「サチと水月が言ったことは本当だ。それより、返事は変わらねぇか?」
サスケが発言すると何だか説得力というものがある。
 「変わるワケないだろ!」
しかし勧誘の話になると別のようだ。

 「・・・」
 「・・・」
 「・・・」
ここで香燐を除く3人は顔を見合わせた。 「…サチ、時間がかかりそうだから牢屋に捕まってる人でも解放しに行こうか」
と水月。
きりがないと悟ったのだろう。
私を誘って部屋から出ていった。
 「りょーかい」
私も同じく部屋のドアに手をかけた。

香燐の勧誘には時間を要するということで特にやることのない私と水月は牢屋の鍵を持ち、部屋を退出したのだった。

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