黒白ノ風
393 勝手
「いやいや、待とうよ!!てか私、行くあてないから!」
しめ繩の端を掴み、動きを止めた。
「体が回復するまで面倒みてくれたことには感謝している。だが、テメーの頓狂な発言に構ってるほどの暇はねぇ」
そういうことだ。
そう言ってからサスケは地面を蹴り上げ、遥か彼方へと…
「ちょ、まじ待って!」
「ぐぉ」
行けなかった。
襟に手をかけられ、何とも苦しそうな声を上げながら引き戻された。
「・・・あのさ、何か今、まじ調子に乗ってたわ・・・」
「…ってことで・・・勝手について行くねv」
「・・・」
数秒間私を凝視してからまたもやサスケはきびすを返し、歩を進め初めてしまった。
「・・・」
・・・ぇ…?
いつもの鋭いツッコミはない。
本気でついて来てほしくないのかな?
「・・・フン…」
「・・・?」
「勝手にしろ」
サスケは地を蹴り上げ、飛び上がった。
木々を伝い、どんどん私との距離を伸ばしていく。
勝手にしろ…?
勝手・・・
意味:他人のことは考えず、自分のしたいようにふるまうこと。
ぉおぅv
「・・・うん!そうする!!」
嬉しそうに返事をし、一時遅れてサチも木に飛び上がった。
2つの影は森の奥へと消えていった。
迷走篇 完
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