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黒白ノ風
390 転換
サスケと密会していたのは知っていた。
暁のアジトにちょくちょく行っていたのも知っている。
普通の奴がそんなことしていたら俺はそれを咎めていただろう。

だが、お前に関しては許せた。
いつの間にか特別な奴になっていた。

・・・俺が、
サチを信頼しきっていたから今まで指摘しなかったのだと思う。

サチは木の葉の里に不利になることはしない。
きっと暁の奴らにも同じような対応をしているのだろう。
サスケや大蛇丸などにも。



・・・だから、今回も許せる。

今回のことを許したらお前はまた木の葉の里にいてくれると思った。

今までそれが当たり前だと思っていた。

お前は絶対木の葉の仲間を傷付けることはしない。
わかってはいるが、場を繋ぐために言ってやる。

俺が憎まれ口をたたいて、お前がいつものようにぶすっ面で返答して、会話が無くなる。

言いたいことは山ほどあんのに出てこねぇ。



背中を向け、去っていく。
手を伸ばそうとしたが引っ込めた。
 「またな」
そうやってやっと出た言葉はたった3文字。

サチは嬉しそうにうん、とだけ返答をすると瞬く間に瞬身の術で刹那に消えた。

森に静寂が訪れる。
やけに自らの心臓の音がうるさく鳴っている。


サチが里抜けしようとしていたのに俺はその背中を押した。

・・なにしてんだか。



まぁ、またいつか会えるもんな?

・・・サチ。

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