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黒白ノ風
372 相反
 「…礼を言おう、サチ」

 「…サチ、木の葉を裏切るのか??」
角都の発言の後にシカマルは信じられないような表情で私に言った。

サクラとサイを助けようとして角都に火爆術の球体を投げたというのに、その角都に何故感謝されているか。

先程まで角都がいた場所には影。
シカマルは力を振り絞って影縛りの術を発動していたのだ。

しかし、私の発声と火爆術によってその影真似の術は虚しくも外れた。

意図的にやったでもないにしろ、私は角都を助けたということになった。
角都からは感謝され、シカマルからは“裏切り”という言葉が飛び出した。

行き場をなくした影が術者のもとへと戻ってゆく。
 「くっ・・・」
ドサ
体力の限界らしい。
シカマルは片膝を地面につき、荒い呼吸を繰り返してから地面に身を預けた。

 「・・・」
もし私が火爆術を投げなくともサクラとサイは助かっていたのか。

幸い角都には私の迷いは気付かれていない。
木の葉の人を助けようとしたほんの一瞬の迷いを。

しかしこれでシカマル達は私が敵だと認識しただろう。

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あきゅろす。
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