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黒白ノ風
371 思出
 「・・・」
触手がサクラに迫る。

 「・・・」
このままでは…!

 「・・・」
・・・いや、もう、もういいんだ。
私は木の葉の里を抜けた。
サクラはもう仲間ではない。

 「いきのいい心臓は久しぶりだ…」
 「…くっ・・・」
苦しみ、必死にもがく。
 「・・・」
・・・そう、サクラは敵だ。
死のうと、いなくなろうと私には関係ない。

…関係ないはずなのに…

何故だか見ていられなくなり、目をそらす。
しかし再び気になり、ちらりと目だけをそこにやった。

―・・・サチ…―

サクラの口がそう動いたような気がした。



・・・サクラとは、最初はアカデミーで出会い、よく恋話をしていた。
そして第7班で任務を共にすることになった。
第7班のまとめ役。
サスケが里抜けした時から医療忍術を必死で習得していた。
私が暁にさらわれ、帰った時に1番泣いていたのはサクラだった。
手違いで造られた私の墓石を粉砕したのもサクラだった。
いつも元気をもらっていた。
―サチ―
その笑顔を思い出した。

里を抜けても失いたくない大切な…



 「角都!!!!」
 「…!?」
ドカンッ
名を呼び、角都の注意をこちらに向けてから火爆術の球体を投げた。
すんでのところでガードした角都だったが爆風に飛ばされた。
サクラとサイの動きを封じていた触手も取れたようだ。

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