[携帯モード] [URL送信]

黒白ノ風
370 無心
ガサッ
 「・・・!」
微かな音に反応するシカマル。
音のした茂みに目をやるが、誰もいない、何もない。

少しばかり辺りを警戒する。
 「・・・オイ…」
仲間にこの異変を伝えようとしたのだが、
ドッ
爆発音によって妨げられた。

後方から跳んできたオレンジ色の球体、火爆術はシカマルの背中で耳を裂くような音を発しながら破裂した。
 「ぐあっ!!」
爆風に飛ばされる。
そのままシカマルは体制を立て直すことなく地面へとたたき付けられた。

おそらく飛段と戦った時の疲労がまだ回復しておらず、もう体力もチャクラもなかったのだろう。

 「・・・!!」
シカマルの負傷を確認したサイが巻物を取り出し、その紙の上で筆を滑らせた。
 「遅い。」
しかし、突然現れた黒い藻のような触手に絡み取られてうごけなくなってしまった。
発生源は言うまでもない、角都だ。
サクラもサイと同様に捕らえられている。

 「フン…丁度いい・・・心臓を頂く」
 「…くっ」
サイとサクラは絡み付いた触手を剥がそうと必死にもがくがどうにもならない様子。
 「・・・」
私は黙ってその様子を見ていた。

[←][→]

9/32ページ

[戻る]


あきゅろす。
無料HPエムペ!