黒白ノ風
366 邪念
鈍い痛みとじわっと広がる鉄の味。
「な…何で避けようとしねぇんだ!!?」
「・・・」
唇が切れたことに気付き、左手で拭う。
「シカトかよ!!!」
(お前まで里抜けしちまうのか…?)
「・・・」
「・・・」
(オイ!!聞いてんの…)
「うるさい」
私はまるで邪念を振り払うかのようにナルトの会話術を蹴散らした。
「・・・」
流石のナルトもたじろぐ。
ナルトを除く木の葉の皆も一様だ。
「…行こうか。角ちゃん」
「何処にだ?」
「飛段のとこ。たぶんもうやられてるから」
バラバラに。
「…全くあいつは世話のかかる奴だな」
会話を終えると私と角都は木の葉の皆を背に飛段のいる森へと歩を進めた。
「・・・ハァ…行く気満々だネ」
ここでカカシ先生が動く。
少し気になり、ちらりと後方に目をやった。
カカシ先生は深いため息を一つついてから右目の写輪眼を露にしている。
私達と鬼ごっこでもしようというのか。
「待て!!」
しかしそれより早く動いていたのはナルトだった。
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