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黒白ノ風
358 木中
 「なに…これ・・・」
目を疑った。
地獄絵図でも見ているような気分になった。

すぐに目に飛び込んだのは赤。
赤の近くには必ずといってもいいほどいる人・・・いや、人だったもの。
それを彩るように咲く血の花。
人気はない。
皆死んでしまっているから。

ざり…
平常心を保ちながら進み、辺りを見渡す。
 「・・・」
一昔前風の家。
 「・・・」
ここはなんなんだ?
何故木の中にこんな場所が…
やはり柏一族の結界内・・・?

ゴク…
無意識に息を飲む。
次第にハッキリとしてくる感覚。
風はない、音もない、血と人と家以外の色がない、臭いもない…
先程私がいた場所とは次元が違う・・・

 「・・・!」
ここで真白のある言葉を思い出した。
 《…異次元とは何もない場所。風、音、色、臭い、規則性…そういった人間の本能などでもある五感がない、明らかにこの世界とは違っている場所だ。…いや、場所ですらないのかもな。》

 「・・・」
やはりそうだ。
ここは、この場所は…

 「柏一族の住居だ…」

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あきゅろす。
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