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黒白ノ風
357 糸口
チャクラがじりじりと沸き上がってくるような感覚…。
異様なものだが恐怖感はない。

 「・・・!」
ここであることに気付く。
ここは私と真白が最初に出会った森だ…と。

 「・・・」
何かがある…
あの木・・・普通だけどどこかおかしい。一点を凝視し、思う。

自分でもよく分からない感覚だ。
前に感じたような・・・
・・・!…そうだ。
初めて結界を使った時の感覚に似ているような気がする・・・
偶然か、はたまた必然か。

思考の末、静かに歩み始めた。
草を踏み締め、木に近づく。
 「・・・」
そして試しに手を伸ばしてみる。
ズッ
手が…木を通過した。

・・・これは、人が入れる場所だ。
直感がそう言っている。
 「・・・」
好奇心と恐怖心が混ざる。
行ってみたいが、怖い。
恐怖心からシカマル達を追わなければならない…と、理由をつけてみる。
が、見たい、行きたい。
 「・・・」
もしかしたら一族のことに繋がっているかもしれない。

 「・・・ふぅ」
呼吸を整えてから更に足を進めた。
私の中で好奇心が勝ったようだった。

木の反対側からサチが出てくる様子はない。
そのまま木に飲み込まれるように中へと消えたのだった。

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あきゅろす。
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