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黒白ノ風
337 羽織
 「すいません、この近くに何か小国はありますか?」
店の戸を開け、中へと入店。
店主と思われるおじさんに道を問いた。
 「なんだいお嬢ちゃんびっちょじゃないかィ」
 「ありますか?」
 「…あぁ、あるよ」
 「どこらへんにありますか?」
 「えー、この道を真っ直ぐ行ってだな…」
 「すいません、お茶お代わり下さい」
別のお客さんが店主に話し掛ける。
 「あぁはいよ…とりあえずこの道を真っ直ぐ行けば分かるよ」
 「・・・ありがとうございます」
真っ直ぐ…か。

店の戸に手をかけ、茶屋を後にしようとした。
 「綱手様、お代わりのお茶来ましたよー」
先程店主に話し掛けた人の声だ。
そうだ、早く綱手お姉サマを捜さなければ…
 「あぁ済まないな、シズネ」

 「・・・て、綱手お姉サマ!!」
何でこんなところに!?
 「・・・?…何だ、サチじゃないか。こんな場所で奇遇だな」
 「お久しぶりです、サチさん」
 「ほんと、奇遇だねv…て、違うわ!!あの、とにかく木の葉病院に急行お願いします」
 「…何かあったのか?」
 「アスマ先生が暁との戦闘中、大怪我を…」

 「・・・暁か」
そう呟くと綱手は立ち上がり、緑の着物を羽織った。
背中には“賭”の一文字。
何故だかその背中は大きく見えた。

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