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黒白ノ風
335 不服
 「手術は、どうなるんですか?」
 「綱手様のような技術がないのであればなんとも言えません」
 「・・・」
つまり、できないということであろうか。
ガラガラ…
廊下の奥から何かをひく音が響きはじめた。
曲がり角から姿を現したのは白衣を纏った数人の医師だった。
いそいそと担架をひき、受付までやってきた。
 「急病人はどこですか?」
 「そこのソファに…しかし…」
 「…?何か不服でも?」
数人で担架にアスマ先生をゆっくりと乗せながら質問を投げる。
 「綱手様がいらっしゃらないのです」
 「・・・」
医師達の動きが止まる。
 「・・・」
 「…我々だけでも手は尽くしてみます」
そう言ったかと思うと次の瞬間には担架をひき、曲がり角を曲がり、医療現場へと駆けていった。

この状況…どうにかならないのか…
…そうだ、綱手お姉サマはどこにいるのだろう。
 「…綱手お姉サマはどこにいるんですか?」
 「小国との同盟の締結をしに里を離れていらっしゃるらしいです」
 「…まじか…」

 「・・・その小国は、どこにありますか?」
 「地図上だと木の葉より申の刻5、6キロの地点で…」
ガリガリ…
5、6キロという明確な距離を聞き、兵糧丸を2、3粒食べる。
 「…どこに行くのです?」
 「その小国とやらに」
 「あなたもチャクラを相当消費しています。少しは安静に…」
 「5分で連れてきます」
そう言い残してから印を結び、瞬身の術を発動した。

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あきゅろす。
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