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黒白ノ風
333 迅速
 「・・・」
そうだ、アスマ先生は…
辺りを見回すとその人は動かないまま横たわっていた。
 「・・・!!」
…誰か、怪我を治せる人・・・
 「いの!」
丁度目に止まったいのに呼びかける。
 「わかってるわ!」
いのは丁寧にシカマルを下ろし、アスマのもとへと駆け寄る。
ブゥゥン
アスマの容態を確認しているようだ。
 「…シカマル!ここから木の葉の里までどのくらいかかる!!?」
容態を確認するなり質問を投げた。
 「…20分〜30分だ」

 「・・・そんなにかかるの…!!あと少し近ければ…!」

・・・急ぎ?
どうやら急を要するようだ。
…だったら…
 「た、助かるの?」
 「大まかな医療設備があればね…今のところ応急処置しか…」
 「私まだチャクラあるから瞬身の術できるよ?」
 「…!!」
考えてもいなかったといういのの表情。
微妙に頬が上がり、どことなく嬉しそうだ。
 「頼めるか?サチ…」
これはシカマル。
それに私は
 「任せて」
静かに呟いた。

 「どういうふうに持てばいい?」
といっても怪我人を運ぶのは初めて。
扱い方がよく分からない。
 「臓器がダメージを受けているから、なるべく圧迫しないように、おんぶでいいわ。振動も極力抑えて」
 「分かった」
ずっしりと私の足にかかる重み。
同時に命の重みも乗っかっているという緊張感も私にのしかかる。

 「木の葉病院に内科専攻っていう忍の緊急手術する場所があるから、まずそこにアスマ先生を預けてから師匠を呼んで」
師匠とは綱手お姉サマのことだろう。
 「分かった」
 「…サチ…頼んだ」
シカマルの嘆願に耳を傾け、印を結ぶ。
 「・・・じゃあ」
ザッ
アスマを背負った私は刹那に消えた。

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あきゅろす。
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