黒白ノ風
325 探気
一番肝心なことを…
これでは探しようがない。
「・・・はぁ」
一気にやる気がもっていかれた。
何をするでもなくボーッとしていたところ、後方から声がかかった。
「何こんなところ座り込んでため息ついてんだ?」
「・・・あ、サスケ…」
振り向くのがめんどくさかったので顔をそのまま後ろへと倒した。
そういえば大蛇丸のアジトでの戦闘の後、痺れ毒で動けなくなったサスケを私の自宅にかくまっていたのだった。
「何してんだ?」
「…うん」
「・・・」
「・・・」
「…フン…」
生返事ばかり返していたところ、サスケは鼻をならし、背を向けてしまった。
そして廊下を歩いてゆく。
おおかた私への対処がめんどくさくなったのであろう。
「…サスケー」
それをなんとなく呼び止めてみる。
「何だウスラトンカチ」
「首が痛い」
「普通にこっち向けばいいだろうが」
「…めんどくさい」
「オレはウスラなお前への対処がめんどくさい」
「だろうねー」
「・・・」
「・・・あのさ・・・もしさ、今サスケがどうにもならないことを突き付けられたらどうする?」
「いきなりなんなんだ…」
「・・・まぁ、どうにもならねぇんなら…どうにかなるようにすればいいんじゃねぇか?」
「・・・」
どうにもならないことを、どうにかする・・・?
「・・・・・・あー、サスケにしては単純な答えだね」
「千鳥くらいたいか?」
「遠慮しときます」
「フン…」
「でも、何かやる気はでた。ありがと」
「・・・フン」
再び鼻をならすとサスケは廊下の奥に消えた。
「・・・」
天井を仰ぎ、朧げな明かりを視界に入れる。
・・・しらみつぶしに探してみよう。
私は立ち上がった。
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