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黒白ノ風
324 自問
まだ街頭が灯っていない道を歩く。
 「・・・」
これでよかったんだよね?

 「…はぁ」
・・・柏一族…か。
そういえば一般人だった高校生が1年足らずで暗部に所属できるわけないよな。
考えてみればそうか。

…でも、柏一族は私以外もう誰もいない。
・・・柏サチ…
何か違和感。

 「ただいまー…」
様々なことを考えているうちに自宅へと到着した。
誰に言うでもなく呟く。
しん…とした玄関は明かりをつけると何故だか更に寂しく見えた。

部屋に行く気力すらなくし、適度な段差があるその場所に座り込んだ。
 「・・・」
話は聞いた。
これでも、無い頭で内容を理解した方だ。
・・・いや、理解できたと思っているだけかもしれない。

私が真白にできることはないのか…?
手違いだったとはいえこちらの世界に呼んでくれた真白には感謝している。
その後も様々な面でサポートしてくれたし。
 「・・・」



 「・・・」
真白が喜びそうなこと…
・・・柏一族の人がまだ生きていたとしたら真白は喜ぶのだろう。
…しかしそれは不可能だ。
そもそも柏の住居はどこの異次元にあるのだろうか…
本当に滅びてしまったのだろうか…
真白、クロさんですらその事実は確認していないらしい。

 「・・・」
こうなったら私がその真偽を確認するか…?
99%と1%…滅びたかまだ生き残っているか…

・・・
1%にかけてみるか・・・
 「よしっ!」
勢いよく立ち上がる。
そしてドアに手をかけたところでぴたりと止まる。
 「・・・」
結界のある場所知らないじゃん。

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あきゅろす。
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