黒白ノ風
323 曲角
「・・・」
真白は口角を吊り上げると俯きながら呟いた。
「…聞いてくれてありがとな…礼を言う」
「うん」
「ではな…」
くるりと方向を変え、黒い道を歩きはじめた。
「…〜」
聞きたいことがありすぎて、それをまだ整理できていないためか声が出せない。
真白はとぼとぼと道の奥に消えてゆく…
そして曲がり角に差し当たった。
「・・・…真白!あの、私が口寄せしたら来てね!!…絶対だよ!」
「…あぁ」
「あとさ、柏って本当に滅びたの?」
「…そうだ」
真白は“今更何を言っているんだ”といった表情で答えた。
「あの、その実際の光景を見たとかは?・・・失礼なことを聞いてるってのはわかってるけどさ…」
「異次元に閉じ込められたのだぞ…我やクロがわざわざ確認しなくとも分かることであろう」
「そか…」
ということは、まだ生き残っている可能性はあるのか…?
「もうゆくぞ」
「あ、うん。…またね!」
真白は曲がり角に消えた。
「・・・」
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